無料で見られる「短編作品(short film)」まとめ

フルムビバース

登録一切不要。すぐに無料で視聴できる良質な短編作品をまとめました。映画館や動画配信サービスでしかクオリティの高い作品は見れないと思っていませんか? 実は優れた短編作品がYoutubeなどの動画サイトで公式で無料配信されています。これを見逃すなんてもったいないです。

Rakka

22分

『第9地区』などで知られる映画監督ニール・ブロムカンプ氏が率いるOats Studiosが製作し、シガニー・ウィーバーも出演するSF短編作品。2020年、テキサス。異形の姿を持つ彼等は突然やってきた。そして、人類の歴史と文化は奪われた。人間は奴隷になった。生き残ったわずかな人々は一握りの希望を求めて戦いを続けていた。それが滅亡への抵抗になると信じて。

Oats Studios

★『Rakka』の感想
この世界観構築力と圧倒的な映像の独創性。やはりこの監督はただものじゃない。二息歩行の爬虫類のようなエイリアンというと、ゲームっぽいデザインだが、このおどろおどろしい存在感は他にはない。クオリティが高すぎて、これが無料で見れることが信じられないレベル。なぜこの監督に映画を撮らせないのか。大手会社は見る目がない。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – Oats Studios Volume 1 Rakka

FTL

14分

宇宙で人知を超えた体験をしたパイロットを描くSF短編作品。宇宙任務では何が起こるかわからない。超高速宇宙船はトラブルに見舞われた。パイロットは悟る。もう家族には会えないのだと。そのとき、信じられないことが起こる。

DUST

★『FTL』の感想
そこらへんのSF大作にひけをとらない重厚な完成度。これが短編で終わるなんてもったいない。まだ始まったばかりで、ここから物語が展開するような予感しかない。プロローグを見せたという感じなので、今後になんとなく期待してしまう。物語の語らなさにこそ深い味わいがあると言える。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – FTL

Super Mario: Underworld

4分

世界的大人気ゲーム「スーパーマリオ」を題材にしたホラー風味のショート・フィルム。いつもどおり山あり谷あり敵ありのステージをマリオは突き進むが、ステージ外へ落下するミスをしてしまう。ステージから落ちたマリオはどうなってしまうのか? そこには誰も想像していなかった衝撃の世界が…。

監督:Andrew McMurry

★『Super Mario: Underworld』の感想
露骨なくらい悪どい作風とギャグセンス。でもそこが最高に楽しい。ファンムービーとして素晴らしい出来です。この製作者の作品をもっと観たい。まさかの展開の連続に笑いと衝撃! もう普通にマリオをプレイできなくなる! 任天堂さん、怒らないで、笑って許してあげてください!

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – Super Mario: Underworld

Portal: No Escape

7分

ある空間を別の空間につなぐことのできる特殊な銃“ポータルデバイス”で「入口」と「出口」を作りながら、トラップを回避しつつさまざまなステージを攻略していくという、1人称視点のアクションパズルゲーム「Portal」を題材にしたショートフィルム。ここはどこなのか、謎の施設で目を覚まし、彷徨っていると、思わぬ出口を自分で作っていくことになり…。監督のダン・トラクテンバーグは後に『10 クローバーフィールド・レーン』の監督を手がけた。

監督:ダン・トラクテンバーグ

★『Portal: No Escape』の感想
「ポータル」という元ネタのゲームを知っている人であれば、その世界観の再現に感動できるはず。知らない人もゼロから楽しめると思います。感嘆に言ってしまえば、シチュエーションスリラー。ある施設に軟禁された女性が、発見した謎のアイテムを駆使して脱出を図るというもの。そのアイテムとは二つのゲートを壁に作ってつなげるという、どこでもドア的な能力があります。この能力を駆使すれば自由を手に入れることはできるのか。観てのお楽しみ。

Time Trap

8分

一風変わったコミカルさが際立つアドベンチャーSFコメディの短編映像作品。ある時、ある日、ある奴が宇宙から地球にやってくる。そいつは「Time Trap」という不思議な能力を持っていた。そして、この能力が思わぬ事態を招いてしまい…。

監督:Michael Shanks

★『Time Trap』の感想
何とも言えないコミカルでブラックさの溢れる世界観とキャラクターが面白い。賢いのかバカなのかよくわからない風貌からして謎が多く、なんだか愛嬌がある。能力の見せ方もユニークで楽しい。オチに笑いました。シンプルな映像なのに、ときおりおおっと思わせる演出が上手い。パントマイム芸のようなユーモアも観ていて飽きない。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – Time Trap (Short Film)

Silicon;BootDrive

9分

「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズのオープニングや『009 RE:CYBORG』のプロモーション映像で神山健治監督とともに取り組んで来た映像作家A.T.の映像作品。VFXを駆使して作られた短編実写SF。ある日突然世界を襲った《昆虫化=バーミノイド化》の奇病と、その真実と未来の可能性をふたりの男の友情を通して描く。2005年のカリフォルニア、地球外から飛来した隕石がもたらしたウィルスは、人を昆虫化させるバーミノイドと呼ばれる奇病を世界に蔓延させてしまい、人々は恐怖を味わう。

監督:A.T.

★『Silicon;BootDrive』の感想
昆虫化=バーミノイド化のビジュアルが良いですね。短い映像でしたが、あっという間でした。世界観、とくにクリーチャーデザインが素晴らしい。願わくばもっと続きの話がみたいところであり、今後も注目していきたい。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Vimeo – Silicon;Bootdrive JPN tx

source

13分

さまざまなクリエーターと手を組み、数々の個性豊かな創作を繰り返してきた新鋭の映像クリエーターA.T.が手掛ける映像作品。2044年、東京。コントロール下においたマスメディアを操り、大衆さえも自由にコントロールする謎の組織と、組織に追われる少女を守ろうとする男の戦いを最新CGを駆使して美麗に描く。映像クリエーターA.T.は後に西内まりやを主演にした『CUTIE HONEY TEARS』の監督も手掛けた。

監督:A.T.

★『source』の感想
予想以上にとても素晴らしい。こんなハイクオリティだとは思わなかった。凄いSFの世界観に思わず見入ってしまった。短い時間に込められた物語と映像の絶妙なパワーに思わず評価したくなる。これは続編などのさらなる世界観の広がりに期待せざるを得ない。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Vimeo – source

The Expert

7分

「もちろんできますよ。私は専門家ですからね」。エキスパートと呼ばれる人の辛さをユーモアたっぷりに描いたショート・コメディ。どこかの会議室のよくある光景。今日もまた、エキスパートは議論に参加する。

監督:Lauris Beinerts

★『The Expert』の感想
こんな傑作な作品に出会えるとは。似たような境遇の友人に見せたら、大笑いだった。あるあるすぎて困る。本当になんでわかってくれないのだろうか…。今まで観たコメディ短編作品のなかでは一番気に入ってます。ぜひ多くの人に観てもらい、この辛さを分かち合ってほしいものです。おそらくどんな会社でも起こっていることですから。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – The Expert (Short Comedy Sketch)

Post-It®

7分

ポスト・イットが想いをつなぐ日常系ハートフル・ドラマ。ある晴れた野外、箱を抱えた男性と、ベンチに座り本を読む女性。二人は出会い、会話を始めるが…。

監督:Michael Evans

★『Post-It®』の感想
登場人物の感情に思わず頷きたくなる、なんとも心温まるお話しでした。個人的にはこういう雰囲気の作品がとても好きなので、非常に大満足です。最初はTVCMっぽい映像づくりなのかなと思いましたが、作品中に出演している登場人物の演技が自然で、変な違和感も全くなく、とても良かったです。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – Post-It® (short film)

IMAGINE

10分

「ハロー、私の名前はミリー。10歳です」。症例が極めてまれなニーマン・ピック病C型は、先天的な遺伝子の変異によって引き起こされる酵素の異常が原因で、本来分解されるはずの不溶性の代謝物が細胞内に蓄積する先天性代謝異常症。その難病と向き合うダンサーを夢見る少女・ミリーとその家族を描いた物語。

監督:Carl Mason

★『IMAGINE』の感想
ドキュメンタリーチックな作品に込められた、幼い、でも夢に満ち溢れた前向きさに誰しもが心打たれるでしょう。Youtubeで100万回以上再生されている事実からも、この作品から勇気をもらった人がたくさんいることが理解できます。彼女は永遠の10歳です。その意味は語らずとも…。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – IMAGINE – Short Film (2015)

PLANET UNKNOWN

9分

探査ロボットのコンビを主役に描くSFアニメーション。とある星の調査にやってきた2体のロボット。途中いろいろありながら、ある場所を探査中に無数の隕石が降ってきて、離れ離れになってしまうが…。

監督:Shawn Wang

★『PLANET UNKNOWN』の感想
人語を話せない愛嬌のあるロボットが好きな人は必見の作品だと思います。短編でここまで作れるのですから、もっと見てみたいですね。短編だからと言って油断しているとド肝を抜きますよ。どこかで見たことがあるようなロボットデザインですが、とてもコミカルかつキュートに魅了してくれる素晴らしいアニメーションでした。続編をぜひ見たいので、どうやったらこの作者を応援できるのか、だれか教えてください。お金を寄付しますよ!

Wire Cutters

9分

どこかシュールで愛らしいロボット・コミュニケーション・ドラマ。とある鉱石採掘ロボットは別の鉱石採掘ロボットと出会い、協力して作業することにしたが…。

監督:Jack Anderson

★『Wire Cutters』の感想
ロボットを描いたアニメーションは数あるが、この作品はそのなかでも映像の中には哀愁のような寂しさが漂っていて他にはない魅力がある。ロボット好きは必見のアニメ作品でしょう。作品中に登場するロボットたちに思わず感情移入してしまうくらい、動きが仕草に命が吹き込まれていて素晴らしいと思いました。何度も見たくなります。短編だからこそ良いバランスで締まっています。これを長編に拡大するのは難しいですが、短いからこその魅力でした。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – Animated Shorts: “Wire Cutters”

Black Holes

12分

サンダンス映画祭にも出品して、その独創的すぎる世界観が話題を呼んだ短編アニメ。火星に向かうミッションを与えられた宇宙飛行士のデーブ。彼のパートナーとしてNASAが選んだのはファッションデザイナーの生まれ変わりだという果物の「メロン」だった。プリンではない、メロンだ。

監督:デビッド・ニコラ、ローレン・ニコラ

★『Black Holes』の感想
なんだこれは…。こんなぶっとんだアニメーションは大手の有名会社では絶対に作れない。それくらい独創性という概念が空中4回転して発火したのち爆発している。もはや意味不明という言葉も不適切だ。もうこのアニメは新境地を開拓している。おそらくそれはまだ誰も到達したことのない未開の地。だから名前はまだない。だから語ることもない。「ブラックホール」のとおり、無の闇に放り込まれた気分になる。驚くべき作品なのは間違いないが、ほんとに何も説明できないのが残念でならない。ひとつ言えることはメロンは凄いということだ。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – Black Holes (Sundance 2017)

POILUS

5分

ウサギが主人公で戦争を描いた異色の短編アニメーション。砲弾飛びかう荒れ果てた戦場で、薄暗い塹壕にうずくまるウサギの兵士たち。そこである兵士が見た敵の姿とは?

監督:ISART DIGITAL

★『POILUS』の感想
ディズニーやピクサーなど世界的に活躍する有名なアニメーション・メーカーでは絶対にできないような鮮烈な物語で、新鮮でした。子ども向けではない大人の物語です。表面上は動物でキャラをオブラートにくるみ、実際の中身は痛烈な社会風刺になっているという点では『ズートピア』っぽいかもしれません。ただ、その作品性のテーマおよび映像は圧倒的にハードでバイオレンス。この作品が伝えてたいことは、私たち人間はなぜ同種同士で争っているのか、そしてそれはあまりにもむごくむなしいことなのではないか。そういう視点を投げかけているように思います。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – CGI 3D Animation Short Film HD “POILUS”

In a Heartbeat

4分

監督:Beth David、Esteban Bravo

なかなか伝えづらい気持ちを必死に伝えようとする姿をコミカルに描いたハートフル・アニメーション。見ているだけではいけない。その気持ちをあの人に伝えるために、ハートは動き出す。

★『In a Heartbeat』の感想
文字通りハートが動いて、楽しげなモーションが特徴のアニメですが、それ以上にこの作品の優しさがいいです。セリフが一切ない作品ですが、それでもその愛は伝わるということが、この作品の素晴しさにそのまま直結していると思います。なんだか一日が幸せになりました。前に進む勇気をもらえる人が増えるといいですね。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – In a Heartbeat – Animated Short Film

Shelter

6分

監督:赤井俊文

アメリカ出身のDJで、大の日本アニメファンとしても知られるポーター・ロビンソンのミュージックビデオ。アニメ制作は、『ソードアート・オンライン』や『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』など、数々のアニメ制作を手がけるアニメーションスタジオ「A-1 Pictures」が手掛けた。

★『Shelter』の感想
映像的な綺麗さや可愛らしいキャラクターに最初は惹かれるかもしれませんが、だんだんとわかる切ない物語にいつのまにか目から涙が…。SNSで大きな話題になったのも頷ける納得のアニメであり、外国の日本アニメ愛がこうやって新しいイマジネーションにつながることが本当に嬉しいです。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – Porter Robinson & Madeon – Shelter

フミコの告白

2分

監督:石田祐康

京都精華大学マンガ学部の石田祐康をはじめとする学生の自主制作作品。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門やオタワ国際アニメーションフェスティバルなど数々の賞を受賞している。女子高生のフミコは、想いを寄せるタカシに思い切って告白するがフラれてしまう。思わず走り出すフミコだが…。

★『フミコの告白』の感想
疾走感だけで突っ走ったアニメーションと最高峰。ストーリーなんてない。全ては勢い任せ。あらためてアニメの気持ちよさを実感させてくれる、とても爽やかで解放感のある作品でした。

作品の視聴はこちら ⇒ 【Youtube – Fumiko’s Confession